「私がいなくなったら、どうなるの?」~おひとり様の終活、葬儀・お墓の不安に寄り添う弁護士からのヒント~
皆様、こんにちは。「いばらき法律事務所」弁護士の横山耕平です。
このブログでは、皆様の日常生活で起こりうる様々な法的な問題について、少しでも「安心のための成分表示」 となるような情報をお届けしたいと考えております。今回は特に「おひとり様」(ここでは、誰にも頼りたくない、一人でしっかり生活をしていきたい、というお気持ちの方を指します。)のお客様からご相談いただく、ご自身の最期に関するご心配についてお話しさせてください。
「身寄りがいない、あるいは親しい親族がいない場合、自分が亡くなった後、一体誰が、自分のことを引き取ってくれるのだろうか?」 「お葬式は誰にお願いすればいいのか、希望通りの形で送ってもらえるのだろうか?」 「お墓はどうなるのだろう?迷惑をかけたくないけれど、どうすればいいか分からない…」
このように、おひとり様でいらっしゃる方の中には、ご自身の死後の手続きや葬儀・埋葬について、漠然とした、あるいは具体的な不安を抱えていらっしゃる方が少なくありません。これは、非常にデリケートでありながらも、ご自身の人生の締めくくりに関わる、大切なご心配事です。
こうした不安を解消し、ご自身が望む形で人生の幕を閉じ、残される方々にできる限り負担をかけないようにするための「終活」が注目されています。終活には様々な方法がありますが、特に法的な側面から、皆様の不安を和らげるためのツールや、弁護士がお手伝いできることについてご紹介します。
自身の希望を伝えるためのツール
1 遺言書(公正証書遺言がおすすめ)
遺言書は、主にご自身の財産を「誰に」「どれだけ」引き継がせるかを法的に有効な形で指定するものです。法定相続人以外の方(例えば、長年お世話になった友人や法人など)に財産を遺贈することも可能です。 遺言書の中には、財産の指定だけでなく、「付言事項」としてご自身の思いや、葬儀・埋葬に関する希望などを書き添えることもできます。ただし、付言事項は法的な強制力を持つものではないため、あくまで「お願い」という形になります。 おひとり様の場合、自筆証書遺言だと紛失や発見されないリスク、形式不備による無効のリスクが考えられます。公正証書遺言であれば、公証人が関与して作成するため無効になりにくく、原本が公証役場に保管されるため安心です。
2 エンディングノート
エンディングノートは、ご自身の身の上に関する様々な情報(連絡先、財産状況、医療や介護の希望、そして葬儀やお墓に関する希望など)を自由に書き残すことができるノートです。 遺言書とは異なり法的な効力はありませんが、ご自身の希望や大切な情報を整理し、ご家族や友人、あるいは死後事務を託す相手に伝えるための有効なツールとなります。市町村が配布している無料のものもあります。ご自身の気持ちを整理し、具体的な希望を形にする第一歩として非常に役立ちます。
3 死後事務委任契約
これは、ご自身が亡くなった後の様々な手続き(葬儀・埋葬に関する手配や費用支払い、医療費・施設利用料の精算、電気・ガス・水道等の解約、家財道具の処分、行政への届出など)を、生前のうちに特定の相手(受任者)に委任する契約です。 遺言書は財産を「誰に」渡すかを定めるものですが、死後事務委任契約は亡くなった後に「誰が」「何をするか」を具体的に託すための契約です。この契約を結んでおくことで、ご自身の希望通りに葬儀や埋葬を行ってもらい、残された事務手続きを滞りなく進めてもらうことが可能になります。受任者には、弁護士などの専門家を指定することも可能です。
弁護士がお手伝いできること
これらのツールを適切に活用することで、おひとり様の終活に関する多くの不安を解消することができます。弁護士は、特に以下の点でお手伝いができます。
・最適な方法の提案:
お客様のご状況やご希望を詳しくお伺いし、遺言書、死後事務委任契約、あるいはこれらを組み合わせるなど、どの方法が最も適しているかを法的な専門知識に基づいてアドバイスします。特におひりさまの場合、埋葬などについて適切な方法を取れるよう、任意後見契約を利用するなどを組み合わせることもあり得ます。
・法的に有効な書類作成のサポート:
ご希望の内容が実現できるよう、遺言書や死後事務委任契約書を法的に有効な形で作成するお手伝いをします。特に死後事務委任契約は、委任する事務の内容を具体的に定める必要があり、専門的な知識が不可欠です。
・死後事務の受任:
お客様のご希望に応じて、弁護士が死後事務の受任者となり、ご逝去後に契約内容に従って各種手続きを誠実に実行いたします。これにより、ご自身の最期の希望が確実に実現される安心を得られます。
・「よき相談相手」として:
終活に関するご心配は、非常に個人的で話しにくい側面もあります。当事務所は、専門家としてだけでなく、お客様の心に寄り添う「よき相談相手」として、じっくりお話を伺い、共に最善の道を探していきます。
おひとり様だからこそ、ご自身の人生の締めくくりについて、不安なく、納得のいく準備をしておくことが大切です。漠然としたご心配でも構いません。まずは一度、専門家にご相談ください。
当事務所は、皆様が抱える不安を安心に変え、心穏やかな日々を送れるようサポートいたします。
ご自身の未来のために、今できることから始めてみませんか?いばらき法律事務所が、その一歩を共に歩みます。
何かご不明な点やご心配なことがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
今後とも「いばらき法律事務所」をどうぞよろしくお願い申し上げます。
弁護士 横山耕平