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2026年、法律が大きく変わる?「スマホで遺言」や「新しい成年後見」で備える未来

皆様、こんにちは。 いばらき法律事務所の弁護士、横山耕平です。

茨木市内の梅林もそろそろ咲き始めたようで、少しずつですが、春の訪れを感じる季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

当事務所では、日々地域の皆様から様々なお困りごとのご相談をいただいております。 食品を買うとき、皆様はパッケージの裏側にある「成分表示」をご覧になりますか? 何が入っているか分かると、安心してその商品を手に取ることができますよね。

弁護士への相談も、これと同じだと私は考えています。 「どんな弁護士なのか?」「どんな解決策を持っているのか?」 そういった「事務所の成分」をこのブログを通して発信し、皆様に安心してご相談いただける「成分表示」のような役割を果たしていきたいと思っております。

さて、今回は「近い将来、法律が大きく変わるかもしれない」という、私たちの生活に直結する大きなニュースです。国の審議会(法制審議会)が2026年2月に法改正の提言をまとめ、今後の国会での審議・立法化が見込まれています。このことについて、法律家の視点から分かりやすく解説します。

「終活」が変わる? 遺言書がデジタルで作れる時代へ

これまで、「遺言書」というと、「遺言書の本文・日付・署名は自書(手書き)が必要で、財産目録以外はパソコン作成が認められない」「印鑑がないと無効」といった厳しいルールがありました。ご高齢の方から「手が震えて書くのが大変」「書き間違えて無効になったらどうしよう」というご不安の声をいただくことも多くありました。

しかし、2026年2月12日の答申により、このルールが劇的に変わろうとしています。 今後、パソコンやスマートフォンを使って作成する新たな遺言制度の創設が検討されており、立法化が予定されています(※1)。さらに、押印要件の見直し(廃止)が答申されており、署名を中心とする制度へ改められる見込みです(※2)。

これは、茨木にお住まいの皆様にとっても朗報です。 「そろそろ相続の準備を」とお考えの方にとって、作成のハードルがぐっと下がります。ただし、デジタル化される分、「本当に本人の意思か?」を確認する手続きとして、公的機関への保管申請と、遺言者本人が全文を読み上げるなどして真意を確認するプロセス(作成・確認・保管)がセットになりますので、正しい手順を踏むことが重要です。

「使いづらい」と言われた成年後見制度が、「応援する」制度へ

認知症などで判断能力が不十分になった方を支える「成年後見制度」。 これまで、ご家族からは「一度利用すると亡くなるまでやめられない」「お買い物まで制限されて不便」といった、「使いづらさ」に関するお悩みをよく耳にしました。

今回の改正案では、この制度が根本から変わります。 これまでの「守る(制限する)」という考え方から、「本人の意思を尊重して応援する(アシストする)」という方向へ大きく舵が切られました。 具体的には、これまでの「後見・保佐・補助」という三類型を見直し、本人の自己決定権を最大限に尊重する「補助」制度への一元化が提案されています(※3)。さらに、「必要な期間だけ利用する」ことができるようになり、ご本人の状態に合わせて柔軟に利用・終了ができるようになります。

「親の介護や財産管理が心配だけれど、制度利用は躊躇していた」という方は、ぜひ一度、新しい制度の活用を含めて弁護士へご相談ください。

交通事故のルールも厳格化されます

また、お車を運転される方に知っておいていただきたいのが、「危険運転致死傷罪」の見直しです。 これまで曖昧だった基準に、明確な「数値基準」が導入されます。飲酒運転や大幅なスピード違反(一般道で時速50km以上の超過など)については、数値基準を明確化する方向で答申がなされました(※4)。 茨木市は交通量も多い地域です。ご自身とご家族を守るためにも、改めて安全運転を心掛けましょう。

おわりに:

法律は、時代に合わせて変わっていきます。 しかし、変わらないのは「皆様の平穏な生活を守りたい」という私たち弁護士の思いです。

今回の改正内容は、相続や高齢者支援といった、人生の節目に関わる重要なものばかりです。 「自分の場合はどうなるの?」「親のために準備できることは?」 そんな疑問が浮かんだら、どうぞお気軽に弁護士にご相談ください。いばらき法律事務所のドアも、いつでも開いています。

私たちは、難しい法律用語を並べるのではなく、皆様のお話に耳を傾け、オーダーメイドの解決策をご提案いたします。それが、当事務所の「成分」であり、お約束です。

春に向けて、皆様の心も晴れやかになりますよう、お手伝いさせていただければ幸いです。

【法的な解説・割り注】 

(※1)遺言制度のデジタル化(保管証書遺言の創設) 

答申では、パソコンやスマートフォン等を利用して作成した遺言書(電磁的記録を含む)を認める方針が示されました。ただし、改ざんやなりすましを防ぐため、作成したデータを法務局などの公的機関へ保管申請し、遺言者本人が対面またはウェブ会議等を通じて全文を読み上げるなどして、本人の真意を確認する手続き(「作成+確認+保管」のプロセス)とセットになる見込みです。

(※2)自筆証書遺言における押印廃止 

従来の書面による自筆証書遺言(民法968条)についても、作成の負担軽減の観点から、これまで厳格に求められていた「押印」の要件を廃止し、自書(サイン)を重視する方向で見直しが行われる予定です。

(※3)成年後見制度の「補助」への一元化 

現行の「後見・保佐・補助」の3類型を見直し、本人の自己決定権を最大限尊重する「補助」制度へ一元化する方向が示されました。これにより、制度の利用は「必要な範囲・期間」に限定され、現行制度では終了が容易ではないとされてきましたが、改正では期間限定利用を明確に認める方向です。また、重度の認知症等で意思表示が困難な方に対しては、例外的に「特定補助人」を選任し、厳格な審査のもとで対応する仕組みが検討されています。

(※4)危険運転致死傷罪の数値基準導入 

処罰の透明性を高めるため、以下の数値基準が導入される見通しです。

  • アルコール基準:呼気1リットルあたり0.5ミリグラム以上(または血液1ミリリットルあたり1ミリグラム以上)を保有して走行した場合。
  • 速度基準:高速道路以外の道路(一般道)において、制限速度を時速50km以上超過して走行した場合(※高速道路については時速60km以上超過等の議論あり)。

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